04 イズーの告白

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04 イズーの告白

 紅茶のおかわりを飲み、しばしの雑談の後やっとヒヨリが落ち着いて話が出来るようになったその時。  イズーが突然口に出した言葉は、ヒヨリにとって想像もつかない驚くべきものだった。 「ヒヨリさん」 「はい」 「本当は、明日お会いしてから改めて話そうと思っていたことなのですが……」 「うん? なあに?」  ヒヨリは、きょとんとする。 「僕とその……お付き合いして頂けませんか? 真剣交際を、恋人同士として」  イズーは照れながらそう言った。頬をほんのり赤くして。  ヒヨリは最初、何を言われたのか理解していなかった。いや、出来なかったというのが正しい。  あまりにも突然のこと、予想だにしないこと、まとめてやってきたためである。   彼女は彼に何を言われたのか、本気で理解するまでしばらく時間がかかった。 (そっか、なんだ、お付き合い。お付き合いかあ……って、え?)  イズーは畳みかける、ヒヨリの手を取って。彼女の目をその淡いブルーグレイの瞳で真摯(しんし)に見つめて。 「こんなこと言うのお恥ずかしい限りなんですが、ヒヨリさんに一目惚れしました。僕と付き合ってください」 「えええええっ!?」  ヒヨリはイズーのあまりの突拍子もない言葉に、膝に置いていた紅茶のカップを思わず落としそうになった。 「あっ!」 「あああ、危ないっ! ヒヨリさん、そんなに驚かなくても……って、やっぱり驚きますよね、こんな唐突な話」  ポリポリと頭をかきながら、彼。 「わわわ、私と、お付き合い!?」  ヒヨリは思わず大声で叫んでしまう。イズーは至近距離にいるというのに。 「お付き合いって……」 「はい、そうです」 「……ほ、本気? 私と?」 「当たり前です。嘘で、このような話は絶対にしません」  真剣な顔で手を取られて。  ヒヨリは口から心臓が飛び出るくらい驚いていた。  イズーは、ヒヨリの心を落ち着かせるためなのか静かに言う。
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