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わたしの最後の記憶は、綺麗な夜景の街
ビルの屋上から、眺めた
酷い人生だったのに
最後は、こんなにも美しい、、
そんなふうに思ったのを、覚えている
わたしは、どうなったのだろう、、
ふわふわと、宙を飛んでいる
たくさんの人が、街を歩いている
いつの間にか、太陽が出て、辺りは朝日に照らされている
わたしは、「仕事に行かなくちゃ」と思った
けれど、わたしの家がわからない
ふらふら彷徨う
小さな公園があった
そこに、女の子がいた
女の子は、じっとわたしを見た
「おねえさん、行くところが分からないのね」
わたしが頷くと、女の子は、その小さな指を、すっと伸ばして、言った
「あの光を目指して行くの」
女の子の指す果てには、柔らかい黄色の光が見えた
わたしは、ホッとして、女の子にお礼を言った
「ありがとう、、」
でも、その言葉は、風に乗って消えた
そして、女の子の姿は、もうなかった
わたしは、女の子の言った通り、光を目指して進んだ
光に達すると、わたしは光と同化し、意識はだんだんと薄れていった
最後に、わたしは思った
「もっと幸せに生きたかった、、」
end
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