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【友達 Side・和樹】
世の中には腐れ縁というものがある。
目の前の坂井 剛という男と俺の付き合いがまさにそれだ。
たまたま小学校の6年間同じクラスになった事がきっかけで、以降大学までなんとなくダラダラと付き合っている。
地味で友達も居ないような根暗の陰キャだが、悪いやつじゃない。
「俺達は友達だろ」と言えば面倒な課題を写させてくれるし、助けてもくれる。
お粗末な顔面も引き立て役としていい仕事をしてくれる。
つまり都合の良い友達だ。
なんだけど、今日はやけに怒っているらしい。
原因はこの大学構内のどこにでもあるベンチで、俺の隣にべったりとくっついてる女子が居ること。
「和樹、どういう事だよ! まだ王ちゃんが亡くなって2日しか経ってないのに、もうその子と付き合ってるって!」
まん丸の愛嬌のあるあばた面を怒りで真っ赤にして、目元を隠すようなウザい前髪の間からわずかに覗く細い目が吊り上がってる。
「もう付き合ってるんじゃなくて、真由美ちゃんとはずーっと付き合ってんだよ。にしても王志玲ね。学校前で自転車にはねられて、車道に倒れたところをトラックで轢き潰されたんだっけ。てか剛、駆け寄って血まみれで泣いてたって聞いたけど、気持ち悪くねーの?」
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