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プロローグ
何処からか声が聞こえてくる。その声は近くで聞こえる気もするし、遠くから聞こえて来る気もした。
瞼を、開き身体を起こして窓から外を見たかった。
カーテンの僅かな隙間に顔を近づけ外の様子を確かめたかった。
でも気持ちと裏腹に瞼は開いてくれなかった。
睡魔が、お前はまだ眠っていろと瞼を押さえつけているみたいだった。
身体は軽い気がした。でも無理だ。動かせなかった。
その声は闇の中に響いている。とても小さな声で話しているようだ。
話しているという事は複数の人がいるという事になる。
その中の一つの声に怒気が含まれている。
そんな印象を受けた。何か争っているのか。
それとも慌てているのか、睡魔に襲われている風子には判断出来なかった。
あー何だろ。気になるなぁ
意識がそう告げるとほぼ同時に、風子はすやすやと寝息を立てていた…
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