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「わぁ……!すごい!」
みやぎ千本桜の森公園に到着するや、瞳を輝かせ、歓声を上げる桜子。
彼女が興奮するのも無理はない。
なんせここには、約500本もの桜が植えられているのだ。
加えて、その足元には、黄色も鮮やかな菜の花が今が盛りと咲き誇っているのである。
「本当にすごいわ!私、こんな花を見たのは初めてよ!」
そう声を上げながら、菜の花の花畑の中へ走り出そうとする桜子。
「あ、桜子ちゃん!あんまり走ると危ないよ!」
香澄はそう声をかけると、桜子を追って花畑の中へと入っていく。
そんな2人の微笑ましい姿を何枚も写真に納める僕。
すると、そんな僕に桜子が声を掛けてきた。
「ねぇ、アンタもこっちに来なさいよ!ほら、太陽みたいな花でいっぱいだわ!」
彼女自身が前述した通り、桜以外の花を見たのは本当に初めてらしく、桜子ははしゃいだ声で常に歓声をあげている。
一緒に歩く香澄も、何だかとても嬉しそうで。
僕はそんな2人の姿を見ているだけで、本当に幸せな気持ちになった。
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