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それぞれの人生
◆それぞれの人生
これまで僕は、小説やエッセイの中で母方の祖父母や、その子供である叔父さんや叔母さんのことに触れてきました。
その一方・・父方の祖母の事には全く触れていません。(祖父は僕が生まれる前に亡くなっています)
何故でしょうか。
祖母とは僕が家を出るまでの25年間、同じ屋根の下にいたはずなのに、全く登場していません。
むしろ、それほど会っていない叔父さん叔母さんよりも、祖母の方が創作をするに当たってエピソードは絶対多いはずなのに、全く書こうとすらしていませんでした。
その原因・・僕はこう考えます。
僕が祖母を事をないがしろにしたのは、何も僕のせいばかりではなく、両親の責任もあったのではないか。
そう思うのは、嫁姑問題が大きく関わっているからです。
そして、祖母のことを書かなかった大きな理由・・それは祖母の事を書くと、僕の両親のことを悪く言うようになるからです。
嫁姑問題の渦中にいた祖母は、少なくとも僕から見て幸せではなかったはずです。
そう断定すると、
「私の人生なんて、孫のお前は知らないでしょう?」
祖母はそう言うと思います。
当たり前です。人の生涯のことは知る由もありません。知ることはできないのです。
何故なら、同じ時間を過ごしていないからです。
僕の主観で勝手に「祖母は幸せではなかった」と思っているだけです。実際はどうであったかは知る由はありません。
世間の嫁と姑の問題がどの程度なのか、僕は知りませんが、子供の目に映った母と祖母の諍いは褒められたものではなく、醜いものでした。
その環境の中で僕は育ちました。
それが良い事なのかどうか分かりませんが、結果的に僕は両親と別居を選ぶことになりました。
「嫁姑問題」は、幼少期から目の当たりにしてきました。子供としてはどう対処していいか分からない問題でした。
・・子供の前で言い争わないで欲しい。
物心ついた時から僕はずっと思っていました。
母と祖母の事を語るには、まず祖母がどこで亡くなったか、つまり、嫁姑問題の行き着いた先の場所は欠かせません。
ここからはかなり生々しい話になりますので、苦手な方はどうかスルーしてください。
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