テレパシー

1/1
前へ
/1ページ
次へ

テレパシー

お腹が空いたので キッチンの 棚から カップラーメンを取り出す 一番大好きな醤油ラーメン味 スープの粉とかやくを入れる。 タイマーを3分にセットして 後は 待つだけ 時間が経つにつれ お腹の音も タイマーのデジタル数字を刻む 様に ぐう~っと鳴る。 タイマーの音が鳴るまで 近くにあった 雑誌を広げて待っていると....  ピンポーンと玄関のチャイムが 鳴る。 ドアを開けると・・・ 「お届け物です!」と宅配便の荷物が 届いた。 俺は判子を押し荷物を受け取る。 それと同時に机の上のタイマーが鳴る。 そろそろ食べ頃だと俺は割り箸を割る 俺が口を付けようとした時 今度は、スマホが震えた。 俺がスマホ片手に通話ボタンを指で スワイプすると元気な声が飛び出して 来た。 「和~ (かず)荷物届いたか~」 実家のお袋の声だった。 「うん 今届いた」俺はカップメンの 麺を口に入れながら答える。 「どうせ あんたの事だから 面倒臭がってカップメンばっか 食ってんだろ! 家の畑で取れた野菜 その他 色々入れといたから 面倒と思わずに たまには自炊せえ~よ じゃあなあ」と其処で電話は 切れたが 俺は お袋の図星の言葉に 箸が一瞬止まる。 離れて暮らす様になって時々 思うが 親と言うのは エスパーか何かなのか テレパシーでも使えるのか いつも図星のタイミングで 電話を掛けて来る。 俺は内心タジタジになりながら カップメンをかき込み食べ終わると 荷物のダンボール箱を開ける。 そこには、食材だけでは無く 調味料まで入っていた。 いつも面倒臭がって 味付けは 塩や胡椒などで適当に味付けして いるのもバレている。 やはりエスパーだ。 俺の知らない調味料も入っている 何て読むんだか分からない 外国の調味料 豆板醤 甜麺醤 漢字ばっかでよく分からない物や お馴染みの日本の調味料 醤油 砂糖 味噌 マヨネーズ ケチャップ エトセトラ 一人息子に送る為だけによくもまぁ  これだけ揃えた物である。 俺は苦笑し 母の偉大さを 思い知った。 そうして 夜 夕飯の時間 俺は久しぶりにエプロンのリボンを 結んだのだった。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加