冒険の始まり

5/6
前へ
/13ページ
次へ
 坂道を上ること40分。視界が開け、頂上にたどり着いた。  40人ほどが入れる広場を囲むように、樹木がそびえ立っている。樹木のそばには少しやつれたベンチがあり、そこで家族連れが昼食を摂っていた。  頂上には小さな祠があった。まずはみんなでそこにお参りして、僕たちはさっそく昼食を食べるため、広場の端に腰を下ろした。  280mの小山だが、見晴らしは良かった。町全体が一望でき、今しがた僕たちが通った線路がどこまでも続いているのが見えた。  僕たちは木陰に座って、さっそく弁当を開けた。家で食べると味気ない弁当も、青空の下で見る今日の弁当は、全てが輝いて見えた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加