冒険の始まり

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 出発から3つ目の駅で、僕たちは電車を降りた。20分前に買った切符を駅員に渡して、大通りに出る。  コンビニで昼食とおやつを調達。金持ちの息子、亮太は大量にお菓子を買い込んでいた。  コンビニを後にして、僕たちは大通りから横に伸びる遊歩道へと入った。それを山に向かって上り続ければ、僕たちの目指す田立山の頂上に到着する。  田立山は町に面した標高280mの山だ。遊歩道が頂上まで続いており、車で行ける別ルートもある。登山というか、ハイキングに適した山だ。  舗装されていた道はやがて土をあらわにして、石や草の道へと変わった。山らしくなったことで、僕たちは更に興奮した。  周りは樹木に囲まれ、空から降ってくる木漏れ日がキラキラしていた。名前の知らない小さな花が所々に咲いて、僕たちを出迎えてくれた。  僕たちは元気いっぱい、坂道を上った。休憩なんていらない。ただただ、全てが楽しかった。
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