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 ルシフェルが消えるとアルバニアとペペの見ていた映像も呼応するように画面ごと消えた。  その後、アルバニアはペペの方へ向くと姿勢を変え片膝を着いた。 「私とルシフェルは、ペペ様に決して揺らぐ事のない忠誠を誓います。今は言葉だけですが、どうか私達に一度チャンスをお恵み下さい。必ずやあなた様のご期待に応えて見せます。――どうか私達をペペ様の僕として共に戦わせてくれないでしょうか?」  これ程までに自分へ尽くしたいと願う二人の姿に、ペペの心は多少なりとも自信を取り戻していた。というよりそんな二人の気持ちに応えようとペペは今一度、魔王としての気持ちを引き締めたのだ。 「――分かった。じゃあこれから一緒にこの星を征服しよう。これからよろしく」  そう言いながらペペは手を差し出した。魔王としてではなく、ヌバラディール・ペペとして。  そして掌が空を仰ぐその手へ、アルバニアは手を乗せると深々と頭を下げた。 「この命をあなた様にお捧げ致します。我が魔王、ヌバラディール・ペペ様」
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