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「まぁまぁ。ペペ坊。どうしたんだい?」
「ばあちゃん。実は……」
ペペは裏切られたことや勇者の事――これまでの出来事を全て祖母に話した。
「っていうことがあったんだけどどうすればいいかな? あと、父さんには黙っててほしいんだけど」
「分かっとる。じゃが魔族のクセにそんな忠誠心の欠片もないやつなどに容赦する必要などないぞ。勇者もろとも殺ってしまえ」
そういって首を掻っ切るジェスチャーをするが、その表情は依然と孫に会う祖母そのもの。
「でもさすがに僕一人じゃ敵が多すぎるよ」
「ペペ坊なら大丈夫じゃ。それに絶望に落とされた人間は希望に縋りつきやすいからのぉ。それが神じゃなく魔王でもな。ほっほっほ。――おぉ、そうじゃそうじゃ。そう言えばわしが昔あげた人形はまだ持っておるか?」
「え? あぁ、うん。持ってるよ」
「なら大丈夫じゃよ。あれはお守りじゃでの」
「え? でも……」
祖母とは打って変わり何も解決した気がしてないペペはすっかり置いてけぼり。
「まずは人間共を適当に手駒にするんじゃ。そして人間に魔力をぶち込み魔物にしたら多少は使えるじゃろう。軍を整えたらあとは勇者共を一人残らず殺るだけじゃ。ええか? 裏切るような屑共だけは一人たりとも生かしたらいかん。なるべく苦しみを与えて殺せ。それじゃあわしはこれから生け首があるでの。頑張るんじゃぞ」
祖母はそう言うとガッツポーズでエールを送りながら画面を閉じた。それと同時にテレビのようなものも消えて無くなった。
「えぇ~。言うだけ言って切っちゃったよ。まぁ用事なら仕方ないか」
全く悩みは解決されずスッキリしていないペペはそのまま後ろへ倒れた。
そして顔を横に向けサイドテーブルに置いてある二体の人形へ視線を向ける。長い髪の優しい微笑みを浮かべている女性の人形と鋭い目のクールな雰囲気の刀を持った男性の人形だ。
「確かに昔は何が起きてもアルバニアとルシフェルの二人が守ってくれるって思ってたけど、僕ももう子どもじゃないからなぁ」
そう呟くと顔を天井へ。
「でも人間を仲間にして魔力を与えるっていう発想は無かったな。不満のある人間は結構多そうだしそれで仲間を増やすしかないか。それでダメならしょうがない。魔王サポートセンターに相談してみよう。でもとりあえず今日は……」
一日で色々な事があり過ぎたペペはそのまま目を閉じるとあっという間に眠りへと落ちていった。
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