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その日、和香は定時で仕事を終えた。
花野に誘われたのだ。
幸子は残業らしいし、今日の事態を考えれば花野は誘わないはずだし、仮に誘っても断るだろう。
さすがに、自分の評価がまったく間違っていたというのはショックのはずだ。
花野の心配は公私混同でなかったと、桃香の行動が教えてきた。
本社内は騒がしかったが、派遣の中止はなし。
つまり、恭貴は先輩二人のとりなしを受けたということだ。
もちろん無条件とは思えない。内容は不明だが、恭貴はその条件を了承したわけだ。
結果、少なくとも桃香は、来年の年度末までの勤務が確定した。
条件と考えて浮かぶのは接近禁止だが、業務中にどこまで可能か、という問題がある。
さすがに、必要なやり取りまで同僚を介して行うのはマズいだろう。
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