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和香でも知るくらい、結婚中の恭貴は、妻を大切にしていた。
「それと、崎本くんが今でも独身とは言ってないわよね」
「……私は言ってない。でも、知ってたわ。
多分、同期の子が教えてるんでしょうね」
不倫をした二人のせいで、あの年代の繋がりは完全になくなった。
本社に残ったのは被害者だが、周りを凍らせるほど冷たいという悪評が広がった。
同情はあっても近づきたくはないだろう。
だが、女性同士の繋がりは分からない。彼女に同情する人間がいても驚かない。
三橋瑛都に振り回された、と考えれば同情する気持ちは分かる。
恭貴が独身であることを知り、それを幸子に言うということは、彼女は別れた夫の動向を気にしている。
それは、復縁希望を想像させた。
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