Chickens home to roots(鳥が止まり木に帰ってくる)

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 北関東営業所は、MVブランドの販売強化のために開設された。  本社と東北支社の中間地点にあるので、規模に比べて重要度は大きい。  なので、所長は、本社の課長に匹敵する地位になる。  小西の後任を本社の営業から選抜するというのは、開設の経緯(いきさつ)を考えれば適切だろう。  実際、他の部長たちの反応はかなりいい。  これで前常務派に対する処遇は一段落になる。  圭輔の本社復帰と小西の支社長昇進で、前常務派に対して、これ以上の冷遇を続けないという意思表示をしたからだ。  それは、背任未遂に関係した社員の中で、一番軽い処分だった和香の重荷を消す形にもなる。  重い処分を望んだわけではないが、自分だけいい思いをしたという後ろめたさはいつも感じていた。  だが、その感情を手離していい時期が来たようだ。  和香は、誰にも気づかれないように小さな溜息をついた。  すべてが終わったという安堵の気持ちだった。
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