僕が街から消えたわけ

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 休日の午後に新しいスニーカーを買いに行こうと思い立ち、最寄り駅で電車を降りて通りを歩いていた。午後の陽射しが、アスファルトにきらめく。すると、向こうにある公園の屋外スピーカーから緊急放送が街に鳴り渡る。  はっと気づいたときには、北の独裁国家が打ち上げた飛翔体が、爆音と共に僕らの街の上空で炸裂していた。閃光と轟音、そして街を覆い尽くす煙塵。何が起こったのか、一瞬そこにいた誰にも理解できなかったと思う。  そして僕は足の付け根に熱い激痛を感じ、そのまま意識が遠のいてしまった。
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