触れられる理由をちょうだい

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「うっ、ああ、」  少し強めに握り、親指と人差し指で作った輪っかを上下させながらカリを刺激すると、すぐに達してしまった。  ずっと我慢していて限界だったのだろう、あまりにも早い射精で、それにまた男性がボロボロと泣き出した。  顔を見られたくないのか俺の胸に埋めているせいで、服が涙でじんわり濡れていく。  苦笑しながらも、気持ちは理解できるし俺も悪いことをしたから、罪悪感から頭を撫でた。 「うっ……」 「なんか俺のほうが痴漢より確実に変態なことしてるな。ごめんね」  外からは電車が到着する音がしたけれど、終わったばかりで急かすこともできないしで乗ることを諦めた。  男性は相変わらず泣いているし、これ以上追いつめるよりも自分が一限目の授業をサボる方がよっぽどいい。  彼の仕事はどうかは分からないけど、落ち着くまで傍にいてあげたいと思った。 「電車、二十分ごとには来るみたいですし、次のに乗りましょう。それまで……って、」  手の中に吐き出されたそれと、男性の体を拭いたほうがいいからと一旦座らせると、出したはずなのにまた少しだけ起きあがっていた。  本人もやっと解放されたと思ったはずなのに、体は言うことを聞いてくれないなんて……。  出されたものも濃かったからしばらく抜いていなかったのだろう。久しぶりにそういうことしたせいで単純に反応してしまったのだろうか。 「……これ、また俺が触ってもいい?」 「っ、」 「ねぇ、もうさ、痴漢されて勃ったちんこの処理って考えるのやめようか。それだからあんたもモヤモヤしてるわけだし。痴漢されたことは忘れられないだろうけれど、今は単純 に俺と気持ちいいことするためにトイレの個室に入った、だから今から二人で気持ちいいことをする、ってことにしようよ」  肩に掛けていた鞄を背中に回すのをやめ、トイレの荷物掛けに置いた。  座っている男性の手を引き立たせると、くるりと反対を向かせて背中から包み込むように抱きしめる。  それからもう一度熱を持ったそれを握った。
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