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荒い息遣い。
アタシの後ろ。
きっと凄く急いだんだろうな。
近田くんが叫ぶ
「おーい! ブタ! 何やってんだよ! 遅えーよバカ! 」
みんなが笑う。
「ねぇ、貴方たちさ ... 」
─ あ、展ちゃん ...
─ お、大江さん ...
みんなの顔が引き攣る。
無理もない。アタシは多分嫌われてる。
変な事を言う娘だから。
「大江さんも来てたんだ」
て園川くん
アタシは昨日も来てたし、一昨日も来てたよ。
何なら一ヶ月前の今日も、半年前の今日も、ここに来て業間を過ごしてた。
「ねえ、飯田くんは豚なの? 」
みんなが固まるのが分かる。
また、変な事を言っているんだ、アタシは。
でも、聞かないではいられない。
「えぇ? 参ったなぁ。いや、冗談ていうか、あだ名? ニックネーム? ほら、飯田って太ってるから」
そうか、太ってると豚なんだ。
豚の平均体脂肪率は十八%らしいけど。
「じゃあ、何でみんな笑うの?
豚って面白いの? 」
みんなが顔を見合わせる。
島田さんが
─ あんまり相手にしない方がいいよ
って、言ったのが聞こえた。
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