はやたくんの勘違い

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「……?」  着信音に瞼をあげると隣のはやたくんはまだ寝ていたので、そっと声をかけて起こす。 「はやたくん、スマホ鳴ってるみたい」 「ん……」  ゆっくり瞼があがり、その瞳に俺が映る。それがとても嬉しくて口元を緩めると優しく唇が触れた。 「誰だろう」  はやたくんが手を伸ばしてスマホを取り、表示を見て眉を顰める。そんな表情をする相手は誰だろう、と少し疑問に思いながらスマホを操作する姿を見つめる。 「はい。……うん、来たよ。うん」  身体を起こしたはやたくんが俺をちらりと見て髪を撫でてくれる。 「わかってる。喧嘩なんてしてないから。うん……うん。だからわかってるって」  俺の髪を指に絡ませて遊びながら通話をして、相手の人がなにか話しているのに「もう切るよ」と通話を切ってしまった。いいのだろうか。 「誰?」 「母さん。澄人来たかって」 「あ、俺おばさんに住所聞いたから」  額にキスが落ちてきて、俺も身体を起こそうとしたら肩を押されてまたベッドに背がつく。はやたくんは俺に覆いかぶさり、首元に顔を埋める。 「澄人と仲良くしろって電話」 「そっか……心配かけちゃった」 「そうだな」  肌をまさぐられて息が乱れてしまう。弾んだ吐息にはやたくんは笑みを深くする。 「もっと仲良くしようか」 「あ……」  腰を撫でられ、その言葉の意味を理解する。かあっと頬が熱くなり、どきどきしながらはやたくんの髪を撫でる。 「……うん。いっぱい仲良くしよう?」 「了解」  俺のすべてを味わうように、はやたくんは肌に舌を這わせて手を滑らせる。与えられる快感に仰け反り、はやたくんの髪に指をさし入れた。 END
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