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第13話
木に作られていたスズメバチの巣を破壊し、中から蜂の子を取り出し口に入れる。
リクルートスーツの女性は怒り狂うスズメバチなど気にせずに幼虫を貪っていた。
「タンパク質うま!!お前らも食ってやるからな〜〜~!」
空いている方の手でスズメバチを鷲掴みして咀嚼し始めた。
「うわあああああ!!!」
虫取り網を持った子供が異常な光景を見て逃げていった。
「女王蜂はどこだ!でてこいやあ!!」
ガツガツと蜂を食べまくり、やがて巣をもぎ取った。
「よォし!これで絆創膏GET〜」
めためたに刺されている事も屁でもないと、彼女は公園を去る。
「最近あの人みてないなあ」
雑に揃えられた髪と陰気臭い表情をした女性を頭に思い浮かべ、胸ポケットから名刺を取り出した。
「茶化しに行きますか!」
「お邪魔しまあ〜す」
廃墟に近いアパートのドアはすぐ空き、中は真っ暗だった。
「生きてる???」
ベッドに死んだように寝そべる女性を発見し、頬を叩いた。
「生きてますか???」
「何?」
「ご飯食べてる?」
「食べてない」
「はい。これ、栄養満点だよ!!」
無気力だった女性の口に蜂の子を無やりねじり込ませる。「んごおお!」
「はーい、飲み込んで」
「オエッヴォエエッ」
「じゃあ次はスズメバチ、針は外しておくね」
「ウエエ!!!」
何匹か食べさせると、冷蔵庫にあった栄養ドリンクを流し込ませた。
「あ、寝ちゃったわー!疲れてたんだなぁ…」
気絶した様子を眺め、優しく布団を掛けてあげた。
「これ、絆創膏ねっ?」
蜂の巣を床に置き、リクルートスーツの女性は部屋を後にする。
「久しぶりに善行したァ!!良かった良かった!」
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