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はい
「ぬあ!!これはぁ〜〜~〜〜~!?!?!!」
「あっ」
スマホの画面を見て、リクルートスーツの女性は飛び上がって、一転ニヤニヤした。
「こ、これって…さ、あの、ドラゴン………カー…」
「覗き見すんなバーカ」
スマホで殴られて顔を真っ赤にさせ、ニヤニヤ顔を加速させた。「加速させんなバカ」
「こ、こっこーいうの?好きなんだ?!」
「何でお前も知ってるのかな?」
「見といた方が大人の近道かなって」
「間違えてんな」
女性はスマホをしまうと、ジーンズから飴を取り出した。
「あ、抹茶味のキャンディ…」
「欲しいんですか」
「いや、アタシさ、抹茶味キライなんだよね」
照れ笑いをするとベンチに腰掛けた。「好きなのは、初キス…レモンの味…」
「…あ?」
「レモン味の飴なめたらしよう、ね」
「キモ」
「ジュース奢ってください!!!」
無視され公園から逃げ出そうとする彼女に、リクルートスーツの女性はついてこようとする。
「喉乾いて仕方ないんです!あとお腹すいた!」
「ネタがないから奢れませんね」
「ひいんん」
スマホを覗き見され相当ストレスを感じたらしく、冷たくあしらう。「では、カモシカをみにいこ」
「カモシカじゃぁないですよ。アレ」
「えっ、そうなんだ」
「貴方には、カモシカに見えるんでしょうけど」
「そっかー。ざんねん」
へへへ、と笑う女性は悪びれていない。茶髪が街頭に照らされている。
「いつかだけどさ、二人で同じ景色見れたらいいね」
「…そうですね」
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