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緑翼の少女に質問され、アケは言葉に悩む。
料理という概念がない彼らにどう説明すればいいのか?
悩んだ末にアケは口を開く。
「今日みたいにみんなで集まってご飯を食べる場所です」
アケは、説明してからこれであってるよね?と自答する。
何せ沢山の人と食べたこともなければ食堂なんて行ったことない。
ただ、あの子の言った言葉をなぞっただけ。
しかし、アケの言葉に緑翼の少女は目を輝かせる。
「いいねえ!それ!」
緑翼の少女は声を弾ませる。
「それじゃあやろうよ。ジャノメ食堂!」
緑翼の少女の言葉に白兎と猪はおおっ!と声を上げる。
アケは、突拍子もない緑翼の少女の提案に戸惑い、思わず後退して逃げ出そうとする。
しかし、それよりも速く緑翼の少女の手が伸びてアケの手をがっちりと握る。
「私たちも手伝うから安心して!」
緑翼の少女は明るく大きな声で言う。
そして優しく微笑む。
「そこをジャノメの居場所にしよ。ねっ」
居場所・・?
アケの蛇の目を震わせる。
私の居場所・・。
「はっ・・・」
明けの口から言葉が絞り出る。
「はいっ」
アケは、無意識に、泣きそうな声で頷いた。
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