猫の女の子

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猫の女の子

 ある日、僕は気分転換に山奥の神社に行った。 ほんとにただの気まぐれだった。 地味に長く、疲れる階段を登る。  カサカサ ん?こんな田舎の山奥に誰がいるんだ? と、あたりを見渡していると、木の影に猫の耳らしいものが見えた。 なんだ猫かと、どんな猫かと近づいた。 だが、そこにいたのは猫ではなく、人間だった。 ただの人間ではなかった。ケモ耳が生えていた。  影の中でもキラキラ光る金髪。 青空のような澄んだ引き込まれるような瞳。 陶器のような真っ白な肌。 だが、人間というより人形かのように生気がなかった。 そして、その子を見たとき、僕の胸はバクバクしていた。 気づいてしまった。僕はこの子に恋をしたのだと。
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