気まぐれな君の今日だけの夢の魔法

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気まぐれな君の今日だけの夢の魔法

 「美和(みわ)、本当に(ゆう)と二人で大丈夫?」  「お母さん、今さらだよ。任せて! 料理なら私が出来るから、お母さんは出張に集中して来てね。」  今日から母は遠方に出張。 三日間、家を留守にする。 父は単身赴任でいない。 だから三日間、美和(みわ)と弟の(ゆう)は二人きり。 姉弟の二人も長期休暇期間なので、学校も休みだ。  「美和(みわ)は中校生だから大丈夫だとして、悠は目を離さないようにね。 まだ小学校に上がったばっかりだから。」  「もちろん!私もう中学生だよ?お姉さんなんだから。 お母さんは気にせず、いってらっしゃい!」  「火とガスには気をつけてね? 洗濯物と洗い物も、無理のない範囲で大丈夫だから。」  「はーい!」  「いってきます。」  「いってらっしゃい!!」 美和(みわ)は母を玄関から見送っていた。  「さて。」 美和は普段世話になってる母に敬意を抱いているが、それはそうとして、両親がいない休日に浮かれていた。 金曜日にやってる映画で、子供だけのシチュエーションの映画を見たことがあって、前から夢があった。  「まずはなにしようかなぁ! 買い物…は事前にしてあるし、お出かけ…は悠が小さすぎて心配。 家で出来ること…映画とか見るのも良いかも! 悠、なにか見たい映画とかある?」  「えっとね…お姉ちゃん、ボク、戦隊ヒーローの映画が見たいなぁ。」  「いいよ!」 美和は弟にすこぶる甘かった。 美和は悠と戦隊ヒーローの映画を見ながら、お菓子を食べる。 お昼前にお菓子を食べても怒る母はいない。 なんて自堕落。だが、たまにはそれも良い。 美和は弟と共に休日を謳歌(おうか)した。 少し調子に乗るほど。 そして次の日、美和は朝から熱を出した。
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