巡り続ける

2/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 あれはまだ私が小学校2年生の頃だった。  当時親の影響で柔道をやっていた自分は、力が強く、そして乱暴者。  故に友達も少なく、いつも放課後は近くの小学校で一人で遊んでいるような子供だ。  親に貰ったボールを壁に蹴って遊ぶ。  それが自分にとっての暇つぶし。  当時はそれが寂しい事とも思わない、いや、思っていたのだろうけど、そう思いたくなかったのかもしれない。  そんな小学校生活で、同じクラスに気に入らない男の子がいた。  名前は中出君。  彼は明るく、走るのも早く、サッカーも上手くてクラスの人気者。  でも自分より弱いと思っていた私は彼を目の敵のように思っていた。  自分より弱いあいつがなんであんなに偉そうなんだ。  いつかぶっ飛ばしてやろうってね。  なので中出君にとって、私は間違いなくいい印象では無かったと思う。  思い出せはしないが、そういうのは間違いなく言動に出ていただろうから。  
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!