巡り続ける

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 そんなある日、いつものように放課後一人でボールを蹴って遊んでいると、たまたま近くで中出君と田中君と羽鳥君が同じようにサッカーをして遊んでいるのが見えた。  遠目からそれを見ていた私は、それが羨ましく、できるなら一緒に入れて欲しいと思うも、普段の自分の態度やプライドから、声を掛けられるわけもなく、ただそれを眺めているだけだった。  しかし、学校の校庭に他の同級生の女の子をはじめ、多くの子供が集まってそれぞれ遊び始めると、私はなんだか一人でいることが無性に恥ずかしくなってきてしまう。  そうして悩みに悩んだ末、私は勇気を振り絞って中出君達のところに向かって言った。 「一緒にいれーて」  この一言を口にするのにどれ程勇気が必要だっただろう。  断られたらと思うだけで怖くて、私の胸はずっとドキドキしていた。  なんせ私がそう言った相手は、別に仲が良い友達でもなければ、むしろ嫌われている相手である。  しかし予想外な事に、中出君は 「いいよ、一緒に遊ぼうぜ」 と言ってくれて、私はホッとすると同時に、顔がパァっと明るくなっていた。  だが、そうは問屋は卸さない。  
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