(二)

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(二)

 翌朝になると、鈴乃は、昨日感じていた違和感も不気味さも感じなくなくなっていた。鈴乃は、昨日のことを忘れていた。そして、それぞれ出かけるべき場所に出かけていった。  鈴乃は、職場に着くといつものように挨拶をした。けれどそれに返事をしてもらえることはなかった。昨日残業もせずに帰ったことがいけなかったと思った。それとも昨日の誕生会のように、周りから認識されていないのかもしれないのかもしれないと鈴乃は、不安を感じた。  「おはようございます。」 と一週間前に入社したばかりの新入社員が鈴乃に声をかけた。  「おはよう。」  「先輩、昨日気づいたらいなくなっていたと先輩たち心配してましたよ。」  鈴乃は、その言葉を聞いて返事がもらえなかったのなら、メールで退勤した旨を伝えるべきだと思っていた。昨日の誕生日会の時のように認識されてないのではなくて怒って無視しているだけなのかと思うと不思議なことに安心感に包まれた。  「教えてくれてありがとう。」  「じゃあ、今日も仕事頑張りましょう。」  「そうだね。」 と言って後輩との会話を終えた。  すると、鈴乃は、すぐに先輩のところに行って謝罪をしようと近くに行った。そしたら、先輩の方も近づいていたためかぶつかりそうだと思って鈴乃は、身構えてしまった。けれど、ぶつかることはなく通り過ぎていた。それどころか先輩は、鈴乃に気づいていない様子であった。鈴乃は、それが不思議で仕方なかった。
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