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正午を迎えた。鈴乃は、お昼休憩をとることにした。それから、休憩室に向かって持ってきたお弁当を食べ始めた。すると、先輩たちも休憩室に入ってきた。
「ねえ、今日鈴乃さんみた。」
「見てないけど、タイムカードは押されてたし、仕事はやってるみたいなんだよね。」
「やっぱり、見てないよね。でも新人の茉莉ちゃんは、朝話したって言ってたよ。」
「私たちは、避けられてるのかしら。」
「何かした記憶もないんだけどね。」
と鈴乃の先輩たちは話していた。
鈴乃は、先輩たちが自分が昨日残業しなかったことに怒って無視しているわけではないことを知った。そして鈴乃は、この状況にデジャヴを感じていた。鈴乃は、先輩たちには、私の姿が見えていないのかもしれないと思った。そしてそれを確かめるために、声をかけることにした。
「あの、先輩、私別に避けてるわけじゃありませんよ。」
と鈴乃が言った。
しかし、それに反応がなかった。それどころか、鈴乃がここに居ることにも気づいていない様子であった。
鈴乃は、自分が周りからまるで幽霊のように扱われることが悲しくてたまらなかった。
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