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夕乃の誕生会が始まると鈴乃の家族も訪れた。
「ゆうのおねちゃんお誕生日おめでとうございます。」
と朱音と和音は声をそろえて言った。
二人はお揃いのワンピースを着て、二人で一つの紙袋を持っていた。
「ありがとう。朱音ちゃん、和音ちゃん。」
と夕乃が言った。
「これ、プレゼントです。今年は高校生になったので二人でバイトして買いました。ハンドタオルセットです。使ってくれると嬉しいです。」
と朱音が言った。
「ありがとう。大切にするね。」
と夕乃が言った。
「夕乃ちゃんこれ私たちから、二十歳のお誕生日おめでとう。」
と言うと鈴乃の母は小さな紙袋を手渡した。
「ありがとうございます。」
と夕乃はお礼を言った。
「あら、もう鈴乃の来ていたのね。」
「そうなんです。私が、2時から来てって言ったら来てくれて。服装とか髪型とかれいにやってもらったんです。」
と夕乃が言った。
「そうだったのね。とてもすてきよ。夕乃ちゃん。」
と鈴乃の母が言った。
一連の会話を近くで聞いていた夕乃の母は、鈴乃が来ていたことに気づかなかったのは、忙しくしていたからだと思った。そして娘のことで鈴乃に感謝を伝えようと鈴乃の姿を探したが見つけることが出来なかった。けれど、そのことにも大して疑問は抱かず、人を呼びすぎちゃったのかしらくらいにしか思っていなかった。
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