(四)

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(四)

 夕乃誕生日会から、数日経ったある日の夜のことだった。夕乃は、いつものようにSNSを見ていた。その中で真友が投稿していた写真が目に留まった。その写真は、こないだの誕生日会の時の写真だった。夕乃は、その写真に強い違和感を感じた。なにがおかしいのか、変なのかそれがわからなかった。それを確かめるために、真友が私に送ってくれた写真を確認することにした。  その送られてきた真友とのツーショットだと思っていた写真に、いないと思っていた鈴乃が写っていた。送られてきた時には、一枚一枚確認している暇はなくて気づかなかった。真友がSNSにあげていた解散前に撮った写真にも鈴乃が写っていた。そして、夕乃は、その投稿写真を見た時の違和感の理由はいないと思っていた鈴乃が写っていたことだと気がついた。  夕乃は、この時初めて気がついた。自分が鈴乃の姿を途中から認識できなくなったことに。  夕乃は、鈴乃のことを知りたいと思った。そしてさっき電話をしたばかりなのに、再び鈴乃に電話をかけた。今度は音声ではなく、ビデオ通話を選択した。とにかく鈴乃姿を確認したかった。  電話がつながるとすぐに、いつもと何一つ変わらない鈴乃の姿があった。夕乃は、そのことに安堵した。  「どうしたの。なにかあった。」 と夕乃がしばらくなにも言わないから鈴乃が言った。  「ごめん。なんでもないの。間違えただけ。」 と夕乃が言った。  「謝らなくていいよ。ゆうの顔見れてよかったし。」  「そうだね。おやすみ。」  「おやすみ。」 と言って二人は通話を止めた。  夕乃は、お酒の所為ではないかと思った。だから、不安な気持ちをすべて酒の所為にして眠りについた。  
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