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重たい段ボール箱を持ち長い階段を登る。
お金持ち学校だけあって、校庭も校内も廊下も、至る所の空間が広すぎる。
そのせいか入学してから、筋肉痛になやまされた。移動教室の度に校内を駆け回らないといけないからた。
少し言い方は大袈裟だけど、これが俺にとって大きなダメージだったわけだ。
生徒がわんさかいて騒がしい廊下も、今は放課後だから物凄く静かに感じて、少し落ち着かない。
まだ日のあるうちだからいいけど、暗くて長い道のりを歩くシュチュエーションだったなら、恐怖で足がすくむだろう。
あ、俺じゃなくて、他の人がだから。
気がつけば随分な距離を進んでいた。
こんな広くて分からない校内だけど、迷子にならずに済んだ。
入学して早々に迷子になった時の懐かしい記憶が蘇る。
潤也に電話したら、迎えに来てくれたっけ。
あの時は本当嬉しかった・・・
廊下の壁に飾られている一枚のポスターを見てハッとする。
さっき"風紀"で思いだしたけどさ、廊下に貼られてるこのポスターって、
【守りたい、この笑顔。──────────
困ったことがあれば風紀に連絡!!
風紀委員会】
これだよね。
前見た時に違う意味で衝撃を受けたと言うか、どっかで聞いたことあるワードだなって思ったんだよ。
これ誰作ったんだろ。
センスについては触れないでおくけど、"守りたい、この笑顔"のポスターの写真、すっげー真顔なんですけど。しかも美形だ。
この顔どこかで見たことあるような、と引っかかるけど思い出せない。
思い出せないってことは、いつの日かどこかで見たかもしれないが、それほど重要人物ではないってことだ。
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