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無機質なチャイムの音に思わず目を開けると創と見つめ合う形になってしまった。ふと照れくさくなりどちらからともなく顔を離す。
俺は我に帰って、
「つーことで俺は創にひどいことなんてされて……」
と創を散々傷つけた奴らの方を向いたのだが、そこには誰もいなかった。
「なんなんだよあいつら」
創の手がゆっくりと俺の手に重なる。
「不安か?」
骨ばった手をギュッと握り返すと、創はふわりと微笑んだ。その幸せそうな顔にこちらまで頬を緩めてしまう。
「大丈夫」
「無理してないか?」
「してないよ。だって、実里がそばにいてくれるんでしょ?」
どこまでも続いていくような澄み切った青空の下、俺たちはもう一度キスを交わした。
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