むゆうがく

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 西からは銃声、東からは怒声がきこえる。  深夜帯。  女が一人、うすぐらい研究室に忍び入った。  部屋には蒼白く発光する水槽がならんでいる。  中にはコードのつながった、脳ミソがうかんでいる。  女は部屋の中央へ歩きだした。  彼女の足音は壁にはねかえってひびいた。  やがて、ひとりの女性が眠る水槽にたどりついた。  女性は裸のまま眠りについていた。胸におおきな刺し傷があった。女は女性の水槽にふれた。 「アイラ……私はこの日をずっと待っていた。今宵、あなたを消します」
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