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美味しいが紡ぐ笑顔
お茶会から数日後、私たちはお茶会のために数日泊まっていた王都の屋敷から、それぞれの領地の屋敷へ戻ったの。
ユリウスやミスティは、これまで通り王都での生活を続けるみたい……なんだけど。
「うふふふふ、精霊魔法、便利ですの」
ミスティが、ゲーム中ではヒロインが第二部で覚醒することになるという精霊魔法を扱えるようになったため、精霊ゲートを利用して頻繁に遊びにやってくるようになった。
「姉上、本日は第一王子とその護衛騎士数名と参りました」
……ユリウスだけでなく、時々王子や姫、それにその護衛も同行させることも増えてきた。
それでも、私たちが王都での生活より領地での生活のほうがいいと、あまり社交の場に姿を見せないからでもある。
「あの場で反第一王子派にキミたちが恩を売ってくれたおかげで、私と弟妹との仲睦まじさを見せつける機会を得て、ずいぶんと動きやすくなった」
私とレインは、あのお茶会のあとすぐに親同士が話を進めて婚約者になっていた。
「父は残念がっていたよ。キミやミスティ嬢、それにロザリーナ嬢も、王太子妃候補に名が挙がっていたようだからね」
あの日のお茶会で、その三名全てに婚約者がいることが判明したからね。
ロザリーナとファイの婚約も、親同士が話を進めた結果なの。
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