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――攻撃したつもりはなかったのに。ひどいわ。
アーレント様とフィンセント様から好かれたいと思っただけ。
皇妃様よりも好かれたいし、懐いてほしい。
だって、いずれ私が二人のお母様になるのだから!
今のところ、子供たちはまったく私に近づいてきてくれない。
悲しくて涙をこぼすと、侍女は私に同情し、励ましてくれた。
「皇帝陛下は忙しい方ですから、気が立っていらっしゃったのです。可憐なクリスティナ様に冷たくできる方なんていませんわ」
私が泣いたのは、皇帝陛下から冷たくされたからだと侍女は勘違いしたらしい。
「ありがとう。そうだといいのだけど……」
「きっとそうです! クリスティナ様を嫌う人なんていません!」
侍女だけでなく、皇宮の使用人は全員、私の味方。
だから、私の辛い気持ちをわかってくれる良き理解者たちだった。
「そんなことないわ。私なんて、誰からも好かれてないのもの。皇妃様も、私を嫌っていらっしゃるし、さっきも怖い顔でにらまれて……」
私の立場の弱さを泣きながら訴えた。
いつもなら、侍女は私に味方してくれる。
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