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私とダンスを踊りたい男性貴族は大勢いたのに、それを断って、エルナンド様をお誘いしたこともある。
なのに、まったく記憶に残っていないなんて……
「ファルハーレン伯爵の娘、クリスティナですわ」
「ああ。なるほど。そういえば、ファルハーレン伯爵が自慢していましたね。娘が可愛いとかなんとか」
お父様の感想ではなく、エルナンド様はどう思っているのだろうか。
まるで、私に興味がない。
もしかして、皇妃様派だから、私に冷たい?
それなら、納得がいく。
「あっ、あの! エルナンド様は皇妃様のことをどう思っていらっしゃいますか?」
きっと皇妃様の悪評を耳にして、困っているはず。
そう思っていたのに、にっこり微笑んだ。
「ルスキニア帝国に、皇子を二人も授けてくださった素晴らしい皇妃様です。早くこの国に馴染んでいただけたらと思ってますよ」
「でも、皇帝陛下と皇妃様の夫婦関係は冷めきっていて、とても寂しそうですわ」
「皇妃様はグラーティア神聖国のお姫様ですからねぇ。まあ、これから仲良くなれたらいいんじゃないですか」
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