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「クリスティナ。部屋まで付き添う申し出は嬉しいけれど、ご遠慮させていただくわ」
「は、はい……」
皇妃としての威厳と大魔女の貫禄を見せ、クリスティナの申し出をお断りした。
断ったのがよくなかったのか、レクスは険しい顔をしている。
集まった侍女、医術師たちもクリスティナの味方のようで、不満げな態度を隠さない。
私が大魔女だと知らないとはいえ、その態度はいかがなものか。
――大魔女だと明かして、ボコボコにしてやりたいけど、我慢よ、我慢! 最終的にはレクスをボコボコにするのは、この私なんだから!
心では不穏なことを考えながら、笑顔を作り、クリスティナに言った。
「せっかく申し出てくれたのに、ごめんなさいね。クリスティナ」
「い、いえっ! あのっ、私、皇妃様がルスキニア帝国に嫁がれてから、ずっと憧れていたんです。できたら、お友達になっていただきたくて!」
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