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クリスティナが魔女だとわかって以来、それなりに警戒していた。
でも、彼女のほうは――
「皇妃様。ご一緒に刺繍をしませんか? 二人で刺繍したものを皇帝陛下にプレゼントするっのて、素敵だと思うんです!」
自分が魔女だと、私にバレてないと思って親しげに話しかけてくる。
「私とクリスティナが刺繍したものをレクス様に贈るのですか?」
「はい。皇妃様と私が仲良くしていると、皇帝陛下が安心されますわ」
「安心……?」
つまり、正妻と愛人が仲良くしていると、男は安心する――そういうことだろうか。
「補佐官のエルナンド様も喜ばれて……あっ、皇妃様はエルナンド様から、帰還の挨拶をされてませんよね。ごめんなさい」
「いいえ。気にしていないわ」
戦地から帰ってきたという騎士団長兼皇帝の補佐官であるエルナンド。
彼はレクスの右腕で重要な立場にいる。
そのエルナンドがクリスティナに帰還の挨拶をしたらしい。
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