13 皇帝陛下の右腕

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「皇妃様。エルナンド様は戦地から帰ったばかりで、きっとお疲れなんだと思います。お会いしたら、声をかけておきますね」  クリスティナは皇宮に馴染み、妃のように振る舞っている。  皇宮内を私よりも自由に行き来しているらしく、この分だとレクスの部屋にも入っていると思う。  別にレクスの部屋なんて、どんどん入ってもらっていいし、私が気にすることでもない。  こちらの待遇は前よりずっとよくなって、快適になっている。 「子供たちと犬たちのしつけをする時間なのよ。そうだわ。よかったら、クリスティナも犬と遊んではどうかしら?」 「えっ! い、犬はちょっと……」  先日の猟犬たちのしつけを任された私。  もちろん、しつけはきちんとされているから、犬と遊ぶだけである。  アーレントとフィンセントは犬が好きで、とても可愛がっていた。 「いぬ、かわい!」 「ふぃん、ぽーんする」  侍女たちに囲まれ、犬用のボールを楽しそうに投げて遊んでいる。 「ぽーん」
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