13 皇帝陛下の右腕

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 アーレントとフィンセントは風魔法をボールに付与させ、うまく遠くまで投げる。  将来、私と戦った時も付与魔法を得意とした二人。  すでに簡単な魔法を扱い、それを日常に取り入れるという天才ぶりを発揮した! 「付与魔法を上手に使いこなして、二人ともすごいわ!」 「えへへ」 「あーれも!」  力だけで足りない分、ボールに風魔法を付与させることを思いついたのだろう。 「さっきより、遠くまで投げられてますね!」 「もしかして、天才!? 天才じゃないですか?」 「可愛いだけじゃなく、魔法の才能まであるなんて……!」  ハンナだけでなく、侍女たちも二人を褒め称え、ボール遊びは盛り上がる。  何度か投げているうちに、ボールがクリスティナのところへ飛んで行った。 「あ……」  私が止める間もなく、犬たちはワンワン言いながら、ボールを追う。  「きゃああっ!」 「クリスティナ、落ち着いて。逃げなくても大丈夫よ。犬たちはボールを探しているだけだから、噛んだりしないわ」
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