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「いいえ。無事、お戻りになられ、レクス様もお喜びでしょう」
「はい。戻ってきてから、ずっと忙しかったのもありますが、皇帝陛下の許可をいただかねば、皇妃様と会うわけにはいきません」
エルナンドはユリアナの立場を気遣い、皇妃として扱ってくれているようだ。
評判が悪い私が、夫であるレクス以外の男性と楽しそうにしていたら、周りからなにを言われるかわかったものではない。
彼が旅立つ前から、ユリアナの評判は良くなかったのだとわかる。
――補佐を務めるだけあって、有能な補佐官ね。
エルナンドを敵に回すと面倒そうだ。
「あのっ! エルナンド様! 皇妃様の犬が私に……!」
「はい。じゃれてますね」
クリスティナにも遊んでもらおうと、ボールをくわえ待っている犬。
その犬のボールをエルナンドが手に取り、投げてやると、犬は喜んで追いかけていった。
「エルナンド様……。私、犬が苦手で……」
「クリスティナ様。犬が苦手なら、ここにいないほうがよろしいですよ。アーレント様とフィンセント様が、犬と遊んでいらっしゃいますから」
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