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子供たちを両腕に軽々と抱き上げて、エルナンドは微笑んだ。
「える!」
「えるぅー」
「重くなりましたね。凛々しいお姿に幼き日の皇帝陛下を思い出します。お二人にお土産を買ってきたんですよ」
他は眼中に入ってないとばかりに、アーレントとフィンセントを可愛がる。
「なにがいいか悩んだんですけど。今、部下が持ってきますからね」
うきうきした口調で子供たちに話しかけるエルナンドを眺め、侍女たちがため息をついた。
「エルナンド様はかっこいいけど、口を開けば皇帝陛下のことしか言わないから……」
「残念な方よね」
たぶん、クリスティナに魅了されているはずだけど、アーレントたちへの愛が強すぎて、二の次になっているようだ。
「こちらをどうぞ!」
エルナンドが部下に持ってこさせたのは、本物の剣だった。
それも、立派な剣で刃に触れただけで、ざっくりいきそうだ。
「待って!? 子供たちには、まだ早いわ!」
「そうですか? 皇帝陛下は許可されましたよ」
弓矢に続き、本物の剣を与えようとするなんて、とんでもない父親だ。
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