2 夫婦の冷めた関係

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 ――え? お友達? 伯爵令嬢のクリスティナが、目上の皇妃にお友達になろうなんて、気軽に申し出ていいの?  笑顔のまま固まった。 「クリスティナ様はお優しいから、ユリアナ様に気遣っていらっしゃるのよ」 「ユリアナ様は嫁いで三年になるのに、実家の権威を笠に着て、溶け込もうとしないものねぇ」 「それに比べて、クリスティナ様は親しみやすいし、使用人にまで優しいわ」  侍女たちが私に対する悪口を言っても、レクスは庇ってくれない。  そのとおりだとばかりに、黙って話を聞いている。  ユリアナは世界で最も古い国、グラーティア神聖国の王女として生まれた。  グラーティア神聖国は神殿との繋がりが強く、信仰心の高い国であり、小国でありながら人々への影響力は大きい。  今でこそ、大魔女と呼ばれる私も元は神に仕えた神官。  私が引き受ける依頼のほとんどは、神殿からのものばかり。  敵にならず、味方にならず、私と神殿は微妙な関係だ。
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