1227人が本棚に入れています
本棚に追加
エルナンドの部下に案内され、レクスの部屋へ向かった。
子供たちはお昼寝中で、エルナンドはクリスティナとデート。
今ごろクリスティナは、屈強な男たちが汗を流して訓練するところを見学しているだろう。
――筋肉好きなら、たまらない状況でしょうけど、クリスティナは完全に【魅了】魔法の使いどころを見誤ったわね。
それにしても、レクスはクリスティナとイチャイチャしているくせに、平気な顔で妻を呼ぶなんて、無神経にもほどがある。
レクスの部屋の前に立ち、扉をノックする。
――返事がない。
「このまま、部屋に戻っていいかしら? 返事がないのに、勝手に入ったら叱られてしまうわ」
「ご安心を。皇妃様であれば、皇帝陛下は気分を害されたりしません」
エルナンドの部下は、私に気遣って言ってくれたけど、正直、ここからトンズラしたい気分だった。
「どうぞ」
最初のコメントを投稿しよう!