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扉まで開けてもらっては、入らないわけにはいかない。
渋々、部屋の中へ足を踏み入れた。
背後で扉が閉まる音がした。
今の気分は強敵との戦いへおもむく戦士の気持ち――
「……って眠ってるの!?」
待ちくたびれたのか、レクスは私を呼んだことなど忘れて眠っている。
その寝顔を見て、緊張感が消えた。
――身構えたこっちがバカみたい。
忙しいレクスが、いつでも休めるように、部屋に大きなベッドが置いてある。
眠っていても、レクスの険しい顔は変わらず、眉間にシワを寄せている。
「なんの夢を見ているのかしら? 眠っている時くらい穏やかな顔をすればいいのに」
しかめっ面でも、美形なのは変わらない。
ベッドの中は難しい政治や戦術の本ばかりで、レクスの弱み、『年頃の男なら隠したいなにか』が見当たらなかった。
――レクスの頭の中は戦うことだけなの?
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