14 皇帝の望み

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 膝枕くらいで動じるわけにはいかない。  そっと抜け出せるチャンスを狙うべきだ。  そう判断して、じっとしていると、違和感を感じたのか、レクスが目をうっすらと開けた。   「……なんだ? 俺が襲われているのか?」 「襲われてるのは私でしょ!?」  半分寝ぼけながら、レクスは状況を確認する。  その隙にベッドから這い出て、レクスとの間合いをとる。  私に襲われたなんて、人聞きが悪い。  ――油断したわ! レクスが()る気なら、私も本気でいくわよ!  いつだって、戦えるんだから――って。  レクスは服をはだけたまま、あくびをしながらベッドから出てきた。   「ちょ、ちょっと! 服をちゃんと着て!」 「は? ああ、だらしなかったか?」  お色気全開、年齢制限ギリギリの姿をしたレクスのせいで、ユリアナを装うのを忘れていた。  ――くっ! 新しい攻撃ね。私を精神的に追い詰めるなんて、やっぱり恐ろしい男だわ。 「不思議だな」 「なっ、なにか、不思議なことがありましたか?」
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