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膝枕くらいで動じるわけにはいかない。
そっと抜け出せるチャンスを狙うべきだ。
そう判断して、じっとしていると、違和感を感じたのか、レクスが目をうっすらと開けた。
「……なんだ? 俺が襲われているのか?」
「襲われてるのは私でしょ!?」
半分寝ぼけながら、レクスは状況を確認する。
その隙にベッドから這い出て、レクスとの間合いをとる。
私に襲われたなんて、人聞きが悪い。
――油断したわ! レクスが殺る気なら、私も本気でいくわよ!
いつだって、戦えるんだから――って。
レクスは服をはだけたまま、あくびをしながらベッドから出てきた。
「ちょ、ちょっと! 服をちゃんと着て!」
「は? ああ、だらしなかったか?」
お色気全開、年齢制限ギリギリの姿をしたレクスのせいで、ユリアナを装うのを忘れていた。
――くっ! 新しい攻撃ね。私を精神的に追い詰めるなんて、やっぱり恐ろしい男だわ。
「不思議だな」
「なっ、なにか、不思議なことがありましたか?」
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