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騙されやすい人間なら、あっさり幻影を受け入れられるけど、そうでない人間は抵抗し、レクスのように苦しむことになる。
「そうだな……。クリスティナと親しくしている」
レクスの返答は、魔法のせいだとわかっていても、なぜかイラッとした。
頭痛がおさまり、レクスは息を吐く。
――【魅了】の魔法を解こうかしら?
一瞬、そんな考えが浮かび、すぐに思い直した。
なぜなら、皇宮の人々と違って、レクスには何重にも【魅了】がかけられている。
これを無理矢理どうにかしようとすれば、最悪な場合、廃人になってしまう。
クリスティナの魔法は容赦のないものだった。
難しいとはいえ、このまま、なにもせずに放置するのも面白くない。
「レクス様。少し触れてもよろしいですか?」
「俺に? かまわないが……」
戸惑うレクスの額に手を触れ、子供たちにかけたのと同じ守護魔法をかける。
【魅了】の魔法は解けなくても守ることはできる。
――大魔女の加護なんて、滅多に与えないんだから、感謝してよね。
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