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レクスの一言は絶大な効果をもたらした。
毎朝、美しい花が届けられ、食事の内容はがらりと変わって種類も量も豊富になった。
でも、食事は別だし、お茶の時間を一緒に過ごすこともない。
――待遇がよくなるのはいいけど、家族の関係は変わらないわね。
そう思いながら、今日はレクスからもらった鍵を手に、図書室へやってきた。
ルスキニア皇宮図書室――目の前に広がる本、本、本。
その素晴らしい蔵書の数々に、うっかりレクスを褒め称えたくなった。
――ダメダメ。レクスは悪逆皇帝(将来)なんだから、万歳なんて間違っても言ってはいけないわ。
「うわっ! これ、私でさえ見たことない魔法書! こんなのが読めるなんて、ルスキニア帝国万歳!」
「ばんじゃい」
「ばんじゃーい」
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