15 令嬢のお願い

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 アーレントとフィンセントの声で、ハッと我に返った。   二人は読めているのかいないのか、私の真似をして難しい本を読んでいる。 「アーレントとフィンセントは魔法書を理解して読んでいるの?」 「んーと」 「ちゅこし」  ――少しでもわかるなんて、もしや天才?  そういえば、未来のアーレントとフィンセントが、私の弟子たちと戦った時、剣に魔法を付与して対等に戦っていた。  レクスもだけど、子供たちも力の使い方がうまく、戦闘の才能がある。  ――子供たちを強くするって決めたけど、間違った方向にいかないよう導かないとね。  今まで多くの弟子たちに魔法を教えてきた私、大魔女(ヘルトルーデ)。  教えた魔法を悪事に使った場合、私が直々にぶん殴りに……もとい、正しにいくと伝えてあるからか、暴走した弟子は今のところいない。  子供たちが強くなるのも大事だけど、私も今以上に強くならなければならない。
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