15 令嬢のお願い

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「あの……エルナンド様? もう少し近づいても構いませんよ?」  レクスに私の護衛を命じられたエルナンドは、図書室の出入り口に控えている。  私が信用できないと言ったため、レクスが一番信用しているエルナンドを寄越したのだ。  それはいいけど、私たちがいる場所とエルナンドがいる場所は、もはや別室かなというくらい距離があった。 「皇帝陛下からの命令です。必要以上に近づくなと言われております」 「そ、そう?」  それはいいけど、声が遠い。 「ご自分が忙しくて、皇妃様やアーレント様たちに構えないから、私に嫉妬してるんですよ」 「そんなことはないと思うけど……」 「ありますよ。案外、子供っぽい性格をなさってます」  身近にいるエルナンドだから許される言葉だ。  レクスの部屋に入り、意外な一面があると知った今、エルナンドの言葉を否定できなかった。 「本もよろしいですが、そろそろ剣の練習をしなくてはなりませんね」 「もう!? 歩くのもやっとなのに早いわ!」 「あーれ、つよい」 「ふぃんも! おかーしゃま、守る」
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