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「なんですか? それ?」
「魔女を呼び出して、願いを叶えることができるらしいわ。でも、代償は自分自身よ」
興味がわいたのか、エルナンドは近づき、魔法書を覗き込む。
「それはおかしいですね。願いの代償に自分が死んだら、願いを叶えても意味がないのでは?」
エルナンドは首をかしげた。
自分の願いが叶ったかどうか見届けることもできない。
「神殿の管理下にない古い本は、おまじないといえど、危険な場合もあるわ。この本は神殿に預けて調べてもらいましょう」
神殿は大勢の神官を束ねる組織で、古代の魔法についての研究も熱心である。
「わかりました。この本は神殿に預けて調べさせます」
エルナンドに本を渡す。
「もし、これが本物で、魔女を召喚するおまじないとして、知られているものなら、禁止しなくてはいけないわ」
「皇妃様は魔法に詳しいですね」
エルナンドの言葉に深い意味はないはずだけど、私の正体は大魔女。
バレたかと思い、少し動揺してしまった。
「えっ!? そ、そうね。最近、興味が出て……」
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